暑い日が増えましたね。夏日も現れるくらい。5月なのにびっくりですね。
春になるとノルンの患者さん、成績が上がります。体も緩み、血行もよくなり、気持ちも安定するのかもしれませんね。陽性反応のご報告は、私までハッピーな気持ちになります。
ただ、少し面白いことを感じています。不妊治療の治療院として15年くらい、患者さんと二人三脚で歩んでいますが、最近、確信をもって感じていることです。
それは、「みなさんの今育てているお子様は、グレードが一番良い卵とは限っていない」ということです。
いやむしろ、「最後に残った一番グレードの低い卵」という方もかなり多くいらっしゃいます。
一般的に受精卵のグレーディングは、「分割スピードのスムースさ」「分割具合の均等さ」「フラグメント(混ざりもの)の少なさ」などで決まります。
グレードの高い卵のほうが妊娠率は高いといわれ、最もグレードの高い受精卵と低い受精卵では、妊娠率に数十パーセントの差があるといわれています。
しかし、ノルンの患者さんをみていると、卵のグレードと妊娠率には、それほどの関連性がみられないのです。
むしろ、患者さんの体が鍼灸で整っているなと感じていたら、グレードの低い卵でも妊娠したり、グレードの高い卵を戻しても仕事が多忙で不摂生な毎日だと全く妊娠反応が出なかったりと、他の要因もすごく関わっている気がします。
鍼灸治療で体を整えたり、睡眠・食事・運動など生活習慣を改善したり、皆さんができることで、卵のグレードに大きく左右されない妊娠率に近づけると私は感じています。
少なくとも、グレード比較の票にあるほどの妊娠率に差が出なくなるのは事実です。
一番最後に残ったグレードの低い卵でも妊娠する可能性は充分にあります。今の皆さん自身ができることで体を整えて、どの卵にも同じ希望をもって温かく迎えていただければと思います。
なお、医学的には、「卵のグレードの低さと流産率、お子様が障害をもつかどうかは、関連性がない」と言われています。
経験上、グレードの高い卵のほうが妊娠しやすいと言われているだけで、ひとたび妊娠したら、流産や奇形の確立はグレードとあまり関係なさそうです。
つまり、どのグレードの卵も、「ひとたび妊娠したら健康な赤ちゃんとして生まれる確率には差がない」ということなのです。
あまり卵のグレードに一喜一憂せずに、すべての卵が皆さんの元気な赤ちゃんになる可能性をもっていると信じて、より健やかで頼もしい身体を目指していただけたらと思います。
二人目を目指してノルンに通われている患者さんが一言ぽつり。「いまの娘、つうしんぼ悪かったんですよー。グレードの悪い卵だったからかなあ・・・。」
「違いますよ。家で宿題をしないからですよ。ママがちゃんと見てあげてくださいね(笑)」