ノルンの思い

 

 

 

鍼灸治療は数千年の歴史を持つ伝統的東洋医学の柱であり、現代では西洋医学の視点からもその有用性が認められています。

 

 

【東洋医学からみた健康、鍼灸の作用】

東洋医学の伝統的な考え方では、健康は体内を流れるエネルギーのバランスによって保たれるとされています。

この世界は「陰」と「陽」という、対立しながらも切り離せない2つの力の調和で成り立っており、私たちの心身も陰陽のバランスで成り立っていると考えます。

また、「肝・心・脾・肺・腎」「怒・喜・思・憂・恐」など、私たちの心身だけでなく、この世界の様々な事象も5つのカテゴリーに分類し、きれいな星形のようにバランスがとれていることが大切と考えました。

現代で言う「メタ認知」の視点のように自分の心身も周りの環境も外側から全体を見て、バランスを大切にする・・・そんな考え方が東洋医学の中に流れていると私は感じています。

 

病気はこのバランスが崩れたときに起こると考え、そのバランスを回復すること、そして良いバランスを保つことが健康の維持に大切だと考えました。

身体中を巡っている血管や神経、リンパ、そして筋肉の連結が解明されていない太古の時代から、身体には気のエネルギーが体中の経絡を巡り健康が保たれていると考えました。

そして、鍼灸刺激を特定の経絡やツボにほどこし、健康な体のバランスを回復する。体自身が持っている自然治癒力を最大限に発揮させることを治療の目的としました。

 

 

【西洋医学の視点、鍼灸の作用】

西洋医学の分野でも鍼灸効果の科学的根拠(エビデンス)が次々と明らかにされています。

 

例えば、ハーバード医学大学院の発行する情報などでも鍼灸治療が身体の生理的プロセスにどのように影響を与えるかを分析しています。

 

針による刺激が中枢神経系に伝わると、身体に対してエンドルフィン(天然の鎮痛物質)、免疫系細胞、オピオイド、神経伝達物質、神経ホルモンなどの放出を促す信号が送られます。

これらの物質が放出されると、痛みを抑えるだけでなく脳が痛みを感じるプロセスそのものを変化させ、身体的・精神的な幸福感を高めます。

 

また、鍼灸治療は自分の意志ではコントロールできず自律神経が調整している「血圧、血流、体温調節など」にも影響を与えることが研究で示唆されています。

 

このように鍼治療は、古来の「エネルギーバランスの修復」という知恵と、現代の「神経系への刺激による生体反応」という科学的解釈が融合した治療法です。

物理的な痛みだけでなく、精神面や自律神経系にも働きかけることで、包括的なウェルビーイング(健康で幸福な状態)を目指します。

 

 

 

 【ノルンの思い】

 以上のように東洋医学では、私たちの身体を「バランスの調和」と考え、良いバランスの身体を作ることを目指します。

私たちの体が本来もっている自然治癒力を最大限に発揮させていくことを目指します。

 

一方、近代の西洋医学は、細分化、専門化することで病気の原因の究明と治療法の開発を進めてきました。

おかげで、様々な病気の原因や治療法が具体的に解明され、多くの人たちがその恩恵を受けました。

一方で、脳のことを扱うにしても「脳神経外科」「心療内科」など細分化が原因で身体のトラブルの全体像を逆に見づらくしてしまうことも言われ始めました。

そこで現代は、「総合診療科」といった細かいカテゴリーにとらわれず、「心身全体、さらに「とりまく社会環境」をまでを含めて相談できる科目も生まれています。

 

また、西洋医学でも「プライマリケア」という考え方が定着してきました。病気になるからお医者さんにかかるのではなく、病気にならないために普段から相談できるお医者さんを備えておこう、という考え方です。

 

 東洋医学にもともと流れていた考え方、「身体全体を診る」「病気になる前から健康への備えをする」という考え方に西洋医学とも調和がとれてきたと私は感じています。

 

ノルンに来られる皆さんも様々な心身のつらさをかかえて相談に来られます。

辛いときはそのことしか考えられなくなりますし、とにかく今の辛さが改善されればいい・・・と感じると思います。

まずは現在のお辛さをじっくりと話していただき、その解決をはかりましょう。

ただ、そこで終わり、ではなく、そこからが本当のスタートだと私は考えます。

 

私の身体も例えれば「中古車を買い換えずに乗り続けている」ようなものです。

だからこそ、この中古車のポテンシャルを維持しながら、できるだけ長居お付き合いをしたいのです。今回のトラブルも一つの経験として、今後の車のメンテナンスに生かしたいのです。

 

ノルンでは、治療をしながら、その方に合ったセルフケアの方法も伝えたい。そして今回の治療が終了するころには、自分自身が一番の自分の身体の「良き理解者」になってほしい・・・。こんな私の思いから、治療室ノルンが始まりました。

 

―みなさんひとりひとりが、自分のカラダの一番の「良き理解者」となりますように―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(治療室ノルン ページリスト)

 

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