さわやかな季節になりました。
花粉の時期も終わり、ウォーキングやハイキングにも気持ち良い季節ですね。
さて今回は、様々なリアルな刺激を脳に与えて体のパワーを活性化させよう!という話です。
昔、お菓子の人工香料について聞いた話があります。
例えば「イチゴ味」のお菓子。実際にはイチゴの成分を全く使っていなくてもイチゴのような美味しそうな甘酸っぱい香りがします。
このような人工香料のイチゴ味のお菓子ばかり食べていると、本当のイチゴを食べた時に「これイチゴの味が薄い。美味しくない!」みたいになる子供が増えるというのです。
実際のイチゴには様々な味や香りの成分が含まれています。
それらの様々な味と香りを脳が感じ取って、総合的に「あまずっぱくて美味しい!」と感じ取ります。
しかしイチゴ香料は単一な味と香りを鋭く放ちます。
脳でも一種類の味と香りを鋭く感じ取って、「イチゴ味だ。美味しい!」と理解するのです。
だから、脳が実際にやっていることが全く違うのです。
本当のイチゴを食べた時は、鼻の中の様々な受容体がイチゴの香りを感じ取り、舌にある様々な需要体がイチゴの味を感じ取って、全てが脳で総合的に評価されて「美味しい!」となります。
イチゴ味の香料のお菓子では、単一の味と香りの成分が強烈に鼻と舌を刺激し、単一な刺激が脳に伝わります。そして「イチゴ味だ。美味しい!」となります。
これを繰り返していると、様々な香りや味を感じ取って美味しいと脳が感じることを面倒くさがります。
やがては人工香料の刺激ほどにリアルな味を美味しく感じられなくなる、というのです。
特に味覚や嗅覚の発達過程にある子供は、この傾向が強いようです。
この話を昔聞いて、「なんだか怖いなー」と思いました。
しかし、現在はこのような事がありとあらゆる場面で私たちを刺激している気がします。
例えばテレビ画面にうつる大自然の絶景は実際にはテレビの平面を見ているだけです。
実際に旅行をして目の前に広がる絶景を奥行きをもって見る。そして脳が景色として理解するのとは全く脳の処理が異なります。
私たちの脳と体は様々な刺激を感じて総合的に理解する能力が備わっています。
しかし、脳と体に楽な刺激ばかり与えていると、どんどん怠け癖がついてしまいます。
健やかで柔軟性のある脳を育てていくことは、私たちの体の健康に非常に大切です。
そもそも子宮や卵巣に対しての命令も脳がコントロールしています。
脳が様々な刺激を処理して理解できなければ、内臓の調整もうまくいきません。
脳と体を健康に保つ一番の方法は、「様々なリアルな刺激を入れ続ける。単調にならずに変化に富んだ刺激を適度に与える」ことです。
せっかくの心地よい季節です。スマホをカバンにしまって、実際の公園や森林を歩いてみましょう。
土を踏む足から膝、股関節へと心地よいリアルな刺激が入ります。
風の音や小鳥のさえずり、虫の鳴き声が奥行きをもって耳を刺激します。
時には花の香りや土の香りが鼻も刺激します。
私たちの脳を様々な方向から刺激し、脳を喜ばせます。これはスマホから得る刺激とは全く次元が違います。
鍼灸治療も体中にあるツボを通じて、鍼やお灸の刺激で幅広く脳を刺激して体を調整すると考えられています。
どのように鍼灸刺激を脳に効かせ、子宮や卵巣を整えて、皆さんに笑顔を運ぶかは私たちの腕の見せ所です。
今日から皆さんの生活が少し変わり始め、力が湧いてきたらいいな、と願っています。